駐在が決まると、仕事の引き継ぎはもちろんのことビザや住居、引っ越し、語学学習など、様々なやることが一気に頭に浮かびますよね。
その中で多くの人が見落としがちなのが”会社の駐在に関するルールの確認”です。
「そのうち人事から案内が来るでしょ」
「前任者から教えてもらえばいいや」
と他人任せにしていると、本来受けられるはずのサポートを逃したり、後から修正できない判断をしてしまうことになりかねません。
この記事では、
- なぜ最初に会社のルールを確認すべきなのか
- 確認することで何が楽になるのか
- 具体的にどのような点を見ておくべきか
を解説します。
なぜ会社のルールの確認が大切なのか
大前提として、駐在というのは、個人の引っ越しではなく会社の制度の中で行う業務上の異動です。
そのため、住居・手当・保険・家族帯同・帰任条件などは、個人の希望よりも会社のルールが優先されます。
ここを確認しないまま準備を進めると、次のような問題が起こります。
- 経費になると思って自費で進めた手続きが、実は会社指定外で補助対象にならなかった
- 家族帯同が可能だと思っていたが、条件を満たしていなかった
- 駐在期間や帰任条件を誤解したまま住居や学校を決めてしまった
このように、後からルールを知っても取り返しがつかないことがあるのが駐在準備の特徴です。
だからこそ、感情や勢いのままに動いてしまう前に、まず会社のルールを理解しておく必要があります。
会社のルールを最初に確認するメリット
① 駐在準備の優先順位が決まる
特に駐在者が多い会社の場合、会社側で準備を手伝ってくれたり、必要な書類をリストにまとめてくれているケースも多いと思います。
また、駐在の前例が少ない会社の場合は、自力で準備を進めなくてはいけない一方、交渉次第では金銭的・人的リソースの支援を増やしてくれるかもしれません。
会社の方針が分かっていれば、駐在準備のための大量な作業1つひとつについて
- 会社主導で進むもの(=自分で主体的にやらなくてよいもの)
- 自分で進めるもの
- 待つしかないもの
を明確にすることができます。
結果として、頭の中で自分がやることが整理され、他人に任せるところを他人に任せ、自身が注力するべきところへエネルギーを集中させることができます。
② 会社からの支援を漏れなく受けられる
会社の駐在制度には、自分から申請すれば使える支援が含まれていることが多くあります。
例えば、
- ビザ取得にかかる手数料や関連費用(領事館手数料、書類取得費など)
- 健康診断・予防接種など、赴任条件として必要なメディカルチェック費用
- 各種手続きに要する時間休暇の申請 ※会社によっては業務時間扱いにできることも
- 国内のトランクルームレンタル費用
- 渡航直前の一時的な国内移動・宿泊費(自宅退去後~出国までの仮住まい)
- 赴任前語学研修費
などです。
逆に言えば、それらは申請しなければ使えないということです。
早めに把握しておけば、支援制度を最大限活用した形で準備を組み立てられます。
③ 家族や関係者への説明が一貫する
駐在は自分だけでなく、家族や周囲も巻き込みます。
家庭持ちの方ならもちろんのこと、私のように独身でも、実家への説明が必要になりますよね。
ルールを理解していれば、他の人への説明がぶれず、不要な不安や誤解を減らせます。
その結果、駐在についても前向きに捉えてもらい、協力を得やすくなります。
具体的な確認項目
会社や業界によって差はありますが、最低限、次のような項目はできれば文書で、文書がなければ上司と会話して明確に確認しておくべきです。
駐在期間の基本方針
何年どこに駐在するか、また延長の可能性があるのかは確認しておきましょう。
人生設計、特にお子さんがいらっしゃる場合はお子さんの人生設計にもとても大きく関わります。
また、業務上も残り期間を意識しながら仕事をすることができ、結果的に後任への引き継ぎ準備もスムーズになります。
住居に関するルール
会社と自分、どちらが家を決めるのか、だれがお金を払うのか、補助があるならどの程度までもらえるのかを確認しましょう。
特にアメリカの主要都市では家賃が超高額なため、100%自費で快適な住居を得るのは高所得者でなければ不可能です。
また会社が家探しを手伝ってくれる場合、赴任前後の負荷が軽くなります。
生活費・手当の範囲
一般に駐在は高給取りになる、と言われますが、実際には会社によって実態が大きく異なります。
というのも、駐在者のお給料には手当=会社毎に全く違う考え方をする分 が多く含まれているからです。
赴任後にどの程度お給料をいただくことができ、どの程度の暮らしができるのか想像するためにも、費用面の確認は事前にしっかりしましょう。
現地医療・保険の扱い
アメリカには国民皆保険の制度がありません。
したがって、現地での医療はすべて自費診療であり、日本人からすると想像できないほど高額になります。
そのため、どこまで会社の保険でカバーされるかはしっかり確認すべきです。
どのような治療が保険対象か、特に現在通院や常備薬がある場合はそれらが保険でカバーされるか、自己負担が発生するケースはあるのかを把握しておきましょう。
また、家族が帯同する場合は、家族も同じ条件で補償されるかも必ず確認が必要です。
私の場合は歯が弱く、毎年のように治療しているため、会社で歯科治療の保険に入ってくれると知りとても安心しました。
一時帰国および緊急帰国の条件
一時帰国は、回数・期間・費用負担の有無が会社ごとに定められていると思います。
特に大人である以上、冠婚葬祭などを理由とした緊急帰国が制度として認められているかは重要です。
「どの範囲までが対象か」「誰の判断で認められるのか」を事前に確認しておくと安心です。
家族帯同の可否と条件
家族帯同は当然可能だと思われがちですが、役職・駐在期間・赴任先によって制限がある場合があります。
帯同できる人数や年齢条件、途中合流が可能かどうかも会社ルール次第です。
会社によっては赴任者が3カ月現地に滞在した後でないと家族帯同が認められないケースもありますね。
家族の生活設計に直結するため、早い段階で明確に把握しておくことをオススメします。
引っ越し費用の負担範囲
費用面でとにかく負担になるのは引っ越し費用ですよね。
引っ越し費用はの会社負担分については、細かく決められていることが一般的です。
航空便・船便の利用上限や、不要品処分費用、一時保管の扱いなどもたいていの場合はどこかに明記されていると思います。
自己判断で進めると後から自己負担になる可能性があるため注意が必要です。
帰任時の扱い(住居・引っ越し・役職など)
駐在中だけでなく、帰任時の取り扱いも制度として決まっていることが多くあります。
住居や引っ越し費用が会社負担になるか、帰任後の配属や役職がどう考えられているかは重要なポイントです。
駐在を「一時的な区切り」として捉えるためにも、最初に確認しておく価値があります。
これらをしっかり理解し、不明な点は早めに確認するようにしましょう。
まとめ
駐在準備で最初にやるべきことは、英語学習でも物件探しでもなく、会社の駐在ルールを正しく理解することです。
なぜなら、
- 駐在は個人の引っ越しではなく、会社の制度の中で進むもの
- ルールを知らないと、無駄な出費や手戻りが発生しやすい
- 最初に確認しておけば、その後の準備がぐっと楽になる
からです。
ということで、まずは一度、自分の会社の駐在準備に関するルールを確認してみてくださいね。
駐在準備における不安やストレスが大きく減りますよ!


コメント