維持?解約?海外赴任と銀行口座の正しい付き合い方

海外駐在が決まると、ビザや住居、引っ越しなど目に見える準備が優先されがちです。
その一方で、日本の銀行口座については、後回しにされやすい項目でもあります。

日本に住んでいなくても銀行口座は使い続けられる。
そのように考えて準備を進める人は少なくありません。
しかし実際には、生活拠点が変わることで銀行口座の位置づけも変わります。
この前提を整理しないまま渡航すると、想定していた使い方ができず、現地の生活で困ることがあります。

この記事では、海外駐在前に日本の銀行口座をどのように整理すべきかを解説します。
この記事を読めば、自分の銀行口座を維持すべきか、それとも解約するべきなのか、決められるようになりますよ。


海外駐在と日本の銀行口座の関係

なぜ銀行口座の扱いを考える必要があるのか

銀行口座を維持するうえで、日本に住んでいるか否かは大きな差があります。
この変化を理解せずにいると、使う予定だった口座に制限がかかり、支払いや資金管理に支障が出てしまうリスクがあります。
そのため、海外赴任準備の一環として、日本の銀行口座を整理する必要があります。

日本の銀行口座は日本在住を前提に設計されている

日本に住んでいると、銀行口座=意識しなくても動き続ける存在になっているでしょう。
そのうえ、現代では給与振込や引き落としはたいてい自動化されているため、特別な対応が必要だと気づきにくいです。

しかし、日本に住んでいない(非居住者)となると、銀行口座の様々な機能に制限がかかることが多くなります。

したがって、海外駐在では、日本の銀行口座を使い続ける目的があるか、またそのためにどの口座を残すべきかを検討することが重要です。


日本の銀行口座は維持か解約か

判断の軸となる考え方

日本の銀行口座の処遇を検討するにあたり、判断の軸を「日本の銀行口座が海外駐在中に具体的な役割を持つかどうか」にすることをおすすめします。

役割が明確であれば口座は維持する対象になり、役割がなければ整理の対象になります。

ポイントは、日本の銀行口座を残すかどうかを感覚で決めないこと。

感覚で決めてしまうと、ミニマリストの人であれば全部解約、そうでない人であれば不安だからとりあえず今までどおり残してしまおうとなりがちです。

しかし実際には、全部解約してしまうと一時帰国や本帰国後に大変ですし、一方で役割を持たない口座を残すと、管理の手間だけが増えてしまいます。

口座を維持をすべきケース

それでは具体的に考えていきましょう。

まず日本の銀行口座を維持すべきなのは、以下のようなケースです。

  • 海外駐在中も日本円での支払いが継続して発生する
  • 日本側で定期的な資金の受け取りや送金を行う予定がある
  • 帰任後にすぐに同じ口座を使いたい

役割がはっきりしている口座は、海外駐在中の生活をサポートしてくれるインフラになります。
そのため、維必要な機能を果たすために維持するという考え方が重要です。

解約を検討すべきケース

逆に解約を検討する対象になるのは、以下のようなケースです。

  • 日本側でお金の出入りがほとんど発生しない
  • 口座の役割を明確に説明できない
  • 複数口座を持っており、他の口座で役割を代替できる

海外駐在中は、口座が存在するだけで定期的な確認や管理が必要になります。
役割を持たない口座を残すことは、管理対象を増やすことにつながります。
そのため、日本の銀行口座は数を減らし、必要なものだけを残すという考え方が合理的です。

口座を維持する際のポイント

利用に制限がかかる可能性があると理解する

日本に在住していない、つまり非居住者になると、銀行によっては一部の取引に制限がかかります。
例えば、三菱UFJ銀行の場合は非居住者になることで以下のような制限があります。

  • 国内振り込みも外国送金としての扱いになる→手数料、手続きが増える
  • 口座への、または口座からの振り込み時に受取人の確認が必要になり時間がかかる

変更内容については、以下三菱UFJ銀行の案内のように、どの銀行でもどこかに説明が書かれています。

自分の銀行口座について、事前に制限内容を把握しておくことが重要です。https://www.bk.mufg.jp/info/20190418_furikomi.html

出発前に最低限やっておく対応

出発前に銀行口座維持のためにやっておくべき対応はいくつかあります。代表的なのは下記のようなものです。

  • 非居住者サービスに切り替える
  • 非居住者届出や住所変更などの手続きを行う
  • 国内の代理人を設定する
  • インターネットバンキングが利用できるようにする

インターネットバンキングが利用できるようにしておくと、出国後も金銭移動ができるほか、経費処理や税金処理における履歴確認にも役立ちます。

尚、特にネット銀行を中心とした一部銀行では、非居住者の口座維持はNGとなっています。

必ず自分の銀行口座が維持できるかどうか確認しましょう。


複数口座を持っている場合の整理方針

メイン口座を一つ決める

複数口座を持っている場合、まずはメイン口座を一つに決めましょう。
お金の出入りをできるかぎり集約することで、残高管理や入出金履歴の確認作業が簡単になります。
海外駐在中は仕事や生活で忙しいことが多いため、管理のしやすさが大きな価値になります。

使っていない口座を残さない

また、管理のしやすさという観点では、使っていない口座を残さないことも重要です。
特に非居住者での口座保持は面倒ですから、用途のない口座はどんどん解約しましょう。

たまに解約を引き留められるケースもありますが、その際も「海外駐在で…」といえばすんなり引き下がってもらえますし。

銀行口座を整理する良い機会ととらえ、ぜひ使わない銀行口座は解約!を徹底してみてください。


まとめ

海外駐在準備において、日本の銀行口座の処遇を検討する上で最も大切なのは、単純にどの口座を残すかどうかだけではなく、各口座の役割を明確にすることです。
日本の銀行口座が駐在中に何のために必要なのか?それは管理の手間をかけてでもやることか?を自分に問うことで、自然に最適な判断ができるようになりますよ。
海外赴任準備の一つとして、ぜひ日本の銀行口座の見直しをしてみてくださいね。

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